S&P500が8週連続上昇——1928年以来40回の「9週目の壁」統計
2026年5月22日にS&P500が8週連続のプラスを達成。2023年12月以来最長のこの連勝記録は、歴史的に何を意味するか。1928年以来のデータが示す9週目以降の統計を解説する。
2026年5月22日(金)、S&P500は7,473.47で週を終え、8週連続のプラス週を達成した。これは2023年12月以来最長の連勝記録であり、1928年以来わずか40回しかない稀なイベントだ。
8週連続上昇の「意味」を数字で読む
一般的に「8週も上がり続けたら過熱、そろそろ下がる」と考えたくなる。しかし歴史データはその直感に反する結果を示す。
8週連続上昇後の12ヶ月先リターン(1928年〜):
| 指標 | 8週連続上昇後 | 全期間平均 |
|---|---|---|
| 12ヶ月先中央値リターン | +13.6% | +10.2% |
| 12ヶ月後プラスの勝率 | 82% | 72% |
8週連続上昇を達成した局面の翌年は、通常の年よりも好パフォーマンスの確率が高い。「長く上がり続けた=危険」ではなく、「モメンタムの強さ=構造的な強さの証明」と市場は解釈する。
「9週目の壁」は本当に存在するか
40回の8週連続上昇のうち、その後の分布は:
- 9週目にプラスで終了:約65%(9週連続を達成)
- 9週目にマイナスで終了:約35%(連勝が止まる)
9週目に止まる確率は約3分の1。「壁」というほどの断崖ではないが、モメンタムが最初に試されるタイミングであることは確かだ。
今回の8週上昇を牽引した要因
① FRB政策の安定:ウォーシュ新議長のもとで4月FOMC会合でも政策金利を据え置き。市場は「利下げ催促」より「インフレ収束を待つ辛抱強い Fed」を好感している。
② 好決算シーズン:2026年Q1決算でS&P500企業のEPS成長率は前年比+12%超。AIインフラへの設備投資が企業収益に直結し始め、「AIへの期待」から「AIの実績」への移行が起きている。
③ 中東情勢の緩和:米・イラン交渉の進展期待で原油価格が落ち着き、エネルギーコスト上昇によるインフレ再加速リスクが後退。
歴史的な比較:2023年12月の9週連続は何だったか
今回と同じく2023年末に9週連続の上昇が起きた。背景はFRBの利下げ転換期待と年末ラリー。その後:
- 2024年1月〜3月:若干の調整(-4%程度)を経て上昇継続
- 2024年7月:半導体バブル崩壊で急落(-10%以上)
「8〜9週連続上昇後でも中期(1年)は強気」という統計は正しかったが、その間に-10%の調整を経験している。「強気統計」と「短期調整リスク」は共存する。
強気・弱気シナリオ
強気(9週目もプラス):AI決算シーズンの次の大型イベント(Broadcom 6/3)が市場期待を上回る。ヘルスケアへの分散買いが進み、上昇の裾野が広がる。12ヶ月先+13.6%の統計通りに推移。
弱気(9週目に一服):8週間で+0.88%しか上昇していない「疲れた強気」。週次では連勝でも1日単位では波乱があり、6月のFOMC(ウォーシュ議長の初会合)前後で利益確定売りが膨らむリスク。
直近の注目日程
- 6月3日(水):Broadcom(AVGO)決算。AI半導体サプライチェーン全体の温度計。
- 6月12日(木):SpaceX IPO(予定)。史上最大規模の上場が市場の流動性を吸収。
- 6月17〜18日:FOMC。ウォーシュ新議長の初会合。政策変更より「スタンスの変化」が市場の焦点。
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。
このニュースで影響を受ける銘柄・業種
記事の内容から、AIが特に影響を受けると判断したものです。
📈 影響を受ける銘柄
8週連続上昇後の12ヶ月先リターンは中央値+13.6%、勝率82%と長期平均を大幅に上回る。短期は過熱感があるものの、モメンタムの継続確率は高い。
AI・テクノロジー主導で8週を引っ張ってきたナスダック。20日間で+8.1%とS&P500(+4.3%)を大幅にアウトパフォームしており、テック主役の構造は当面継続。
アップルは指数の上昇に乗り切れていない部分も。中国販売比率が高く、米中関係の変動が特有のリスクとして残る。
Azure AIクラウドの収益拡大が継続中。ハイパースケーラー設備投資の拡大がクラウド収益に直結し、8週上昇の主要推進力の一角。
🏭 影響を受ける業種・セクター
8週上昇を主導したセクター。AIインフラサイクルの長期化観測が続く限り、テック株のバリュエーション拡大は継続しやすい。
5月22日に+1.19%とセクター最大の上昇。8週上昇局面の後半でディフェンシブに資金が移行し始めている可能性があり、ポートフォリオの分散効果を持つ。
5月22日だけで-0.54%と唯一マイナス。メタの人員削減やコンテンツ規制問題が重石。
※ 上記はAIによる分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。実際の値動きは様々な要因で変動します。